青森県は、豊かな自然が織りなす絶景と、歴史や文化に触れられるスポットが満載の魅力的な観光地です。四季折々に異なる表情を見せ、訪れるたびに新しい発見があります。ここでは、年間観光客数(2023年推計値に基づく参考)を基に、青森県で特に人気の高い観光スポットTOP10をご紹介します。
1. 青森ねぶた祭
- 年間観光客数(目安): 約280万人(祭り期間中)
- 人気の理由: 日本を代表する火祭りの一つに数えられる、青森の夏の風物詩。巨大で色鮮やかな「ねぶた」と呼ばれる灯籠(山車)が街を練り歩く様は圧巻です。「ラッセラー、ラッセラー」の掛け声と共に、浴衣に身を包んだ「跳人(はねと)」が乱舞する熱気も魅力。ユネスコ無形文化遺産「山・鉾・屋台行事」の構成資産の一つです。
- 見どころ: 毎年8月2日から7日に開催される祭り本体。特に夜間運行される大型ねぶたの迫力と美しさは必見です。最終日の海上運行と花火大会もフィナーレを飾ります。
- おすすめ訪問時期: 祭りが開催される8月上旬。ただし、この期間は宿泊施設の予約が非常に困難になるため、早期の計画・予約が必須です。祭り期間外でも、7月中旬頃から「ねぶたラッセランド(ねぶた小屋)」で制作風景を見学できます。

2. 弘前公園(弘前城)
- 年間観光客数(目安): 約220万人
- 人気の理由: 日本有数の桜の名所として全国的に有名。春には約50種、2,600本もの桜が咲き誇り、公園全体をピンク色に染め上げます。現存12天守の一つである弘前城天守と桜が織りなす風景は、まさに絶景です。さくらまつり期間中は特に多くの人で賑わいます。
- 見どころ: 「弘前さくらまつり」(例年4月下旬〜5月上旬)、濠の水面に桜の花びらが浮かぶ「花筏(はないかだ)」、秋の「弘前城菊と紅葉まつり」(例年10月中旬〜11月上旬)、冬の「弘前城雪燈籠まつり」(例年2月上旬〜中旬)など、四季を通じて楽しめます。
- おすすめ訪問時期: 桜の時期(4月下旬〜5月上旬)が最も華やかですが、大変混雑します。落ち着いて散策したい場合は、新緑の初夏や紅葉の秋(10月下旬〜11月上旬)もおすすめです。雪景色のお城も風情があります。

3. 十和田湖
- 年間観光客数(目安): 約180万人
- 人気の理由: 青森県と秋田県にまたがる、美しい二重カルデラ湖。吸い込まれそうなほど深い青色の湖水と、周囲を取り囲む手つかずの自然が魅力です。特に秋の紅葉シーズンは、湖面に映る色彩豊かな木々が息をのむほどの美しさを見せます。
- 見どころ: 湖上から雄大な景色を楽しめる遊覧船、高村光太郎作の「乙女の像」、湖全体を見渡せる展望台(瞰湖台、発荷峠など)、そして奥入瀬渓流への玄関口としての役割も担っています。
- おすすめ訪問時期: 紅葉シーズン(10月中旬〜下旬)が最も人気。新緑の季節(5月〜6月)も爽やかです。遊覧船は通常4月下旬〜11月上旬頃まで運航しています。夏は避暑地としても快適です。冬季はアクセス道路が一部閉鎖されることがあるため注意が必要です。

4. 奥入瀬渓流
- 年間観光客数(目安): 約160万人
- 人気の理由: 十和田湖から流れ出す唯一の河川で、約14kmにわたって続く美しい渓流。変化に富んだ流れや大小様々な滝、豊かな木々が織りなす景観は、国の特別名勝及び天然記念物に指定されています。四季折々の自然美を楽しめる人気の散策スポットです。
- 見どころ: 渓流沿いには遊歩道が整備され、「阿修羅の流れ」「雲井の滝」「銚子大滝」など、見どころが点在。マイナスイオンを浴びながらの森林浴が楽しめます。
- おすすめ訪問時期: 瑞々しい新緑が美しい5月中旬〜6月と、燃えるような紅葉が見事な10月中旬〜下旬が特におすすめシーズン。夏は涼を求めて訪れる人も多いです。冬季は遊歩道の大部分が雪に閉ざされますが、氷瀑ツアーなどが開催されることもあります。
5. 八甲田山
- 年間観光客数(目安): 約150万人
- 人気の理由: 複数の火山からなる連峰で、雄大な自然景観、豊富な高山植物、点在する温泉(特に有名な酸ヶ湯温泉)が魅力です。冬には世界的に知られる「樹氷(スノーモンスター)」が出現し、多くのスキーヤーや観光客を魅了します。
- 見どころ: 八甲田ロープウェーからの360度のパノラマ、高層湿原の散策(田代平湿原など)、名湯・酸ヶ湯温泉の「ヒバ千人風呂」、冬の樹氷、夏のお花畑トレッキング、秋の紅葉など、年間を通して楽しめます。
- おすすめ訪問時期: 樹氷観賞は1月〜2月がピーク。新緑と高山植物は6月〜8月。紅葉は9月下旬から10月中旬にかけて山頂から麓へと移り変わります。温泉は通年楽しめます。

6. 恐山
- 年間観光客数(目安): 約70万人
- 人気の理由: 比叡山、高野山と並ぶ日本三大霊場の一つ。火山活動によって形成された荒涼とした風景と硫黄の香りが漂う独特の雰囲気を持つ霊場です。死者の魂が集まる場所とされ、イタコの口寄せでも知られています(主に大祭期間中)。
- 見どころ: 極楽浜と呼ばれる宇曽利山のカルデラ湖畔、硫黄ガスが噴き出す地獄谷、菩提寺。年に2回(夏と秋)開催される大祭では、イタコが口寄せを行うことでも有名です。
- おすすめ訪問時期: 開山期間は例年5月1日〜10月31日(冬季閉山)。恐山大祭(7月20日〜24日頃)や秋季例大祭(10月の体育の日を最終日とする3日間 ※要確認)は多くの参拝者で賑わいますが、静かに参拝したい場合は通常期間がおすすめです。
7. 三内丸山遺跡
- 年間観光客数(目安): 約65万人
- 人気の理由: 約5900年前から4200年前(縄文時代前期〜中期)に存在した日本最大級の縄文集落跡。広大な敷地に復元された大型竪穴建物や掘立柱建物、当時の生活を知る豊富な出土品が展示され、縄文文化を身近に感じられます。「北海道・北東北の縄文遺跡群」の一つとして2021年にユネスコ世界文化遺産に登録されました。
- 見どころ: シンボル的な大型掘立柱建物、大型竪穴建物、住居群の復元。「さんまるミュージアム」での出土品展示(重要文化財多数)や、体験工房なども充実しています。
- おすすめ訪問時期: 年間を通じて見学可能ですが、屋外施設が多いため、気候の良い春(4月〜6月)や秋(9月〜11月)が散策しやすいでしょう。夏休み期間中などは体験イベントが多く開催されることもあります。

8. 白神山地
- 年間観光客数(目安): 約60万人
- 人気の理由: 1993年に屋久島とともに日本初の世界自然遺産(自然遺産)に登録された、東アジア最大級の原生的なブナ林。人の影響をほとんど受けていない貴重な生態系が保たれており、その学術的価値とともに、豊かな自然を満喫できるトレッキングスポットとしても人気です。
- 見どころ: 手軽にブナ林を体感できる散策路、神秘的な色の「青池」を含む十二湖、暗門の滝など。核心地域への入山は原則として届出が必要ですが、緩衝地域には多くの散策コースが整備されています。白神山地ビジターセンター(西目屋村)などで情報を得られます。
- おすすめ訪問時期: 新緑が美しい5月下旬〜6月、紅葉が見事な10月中旬〜下旬がトレッキングのベストシーズン。十二湖の青池は初夏が特に美しいとされます。冬季は積雪のためアクセスや散策が制限されます。
9. 下北半島(尻屋崎・仏ヶ浦など)
- 年間観光客数(目安): 約55万人
- 人気の理由: 本州最北端に位置し、手つかずのダイナミックな自然景観が魅力の半島。尻屋崎では野生の「寒立馬(かんだちめ)」が草を食むのどかな風景、仏ヶ浦では海食によって形成された白緑色の奇岩怪石が連なる神秘的な海岸線を望むことができます。
- 見どころ: 尻屋崎灯台と寒立馬(アタカとも呼ばれる)、船でしか近づけない仏ヶ浦の奇岩群、大間崎(本州最北端の碑、マグロ)、薬研温泉郷など。恐山も下北半島に位置します。
- おすすめ訪問時期: 気候が穏やかな春(5月下旬〜)から秋(〜10月)が観光に適しています。仏ヶ浦への観光船は通常4月下旬〜10月末頃までの運航。寒立馬は通年見られますが、冬は厳しい寒さとなります。大間のマグロは秋から冬が旬です。
10. ねぶたの家 ワ・ラッセ
- 年間観光客数(目安): 約50万人
- 人気の理由: 青森ねぶた祭の歴史や魅力を一年中体感できる施設。祭りで実際に出陣した迫力満点の大型ねぶたが常設展示されており、その大きさや色彩の鮮やかさを間近で見学できます。
- 見どころ: 大型ねぶたの展示ホール、ねぶたの歴史や制作過程を紹介するコーナー、お囃子の生演奏やハネト体験(実施日時は要確認)など。ねぶた祭の熱気をいつでも感じられるのが魅力です。
- おすすめ訪問時期: 年間を通じて楽しめます。ねぶた祭り期間(8月2日〜7日)とその前後は特に雰囲気が盛り上がりますが、混雑も予想されます。祭り期間外に訪れることで、ゆっくりとねぶたを鑑賞できます。
青森県の季節別おすすめ観光カレンダー(目安)
- 春(4月〜5月): 弘前さくらまつり、奥入瀬渓流・十和田湖の新緑、白神山地の新緑
- 夏(6月〜8月): 十二湖・青池、青森ねぶた祭り、三内丸山遺跡イベント、奥入瀬渓流での避暑
- 秋(9月〜11月): 八甲田山の紅葉、奥入瀬渓流・十和田湖の紅葉、弘前城菊と紅葉まつり、大間のマグロシーズン
- 冬(12月〜3月): 八甲田山の樹氷、スキー・スノーボード、各地の雪まつり(弘前城雪燈籠まつりなど)、温泉
おわりに
青森県には、ここで紹介した以外にもたくさんの魅力的な観光スポットがあります。一度の旅行では回りきれないほど、豊かな自然と文化に溢れています。この記事を参考に、あなたの興味や訪れたい季節に合わせて、ぜひ青森への旅を計画してみてください。きっと素晴らしい発見と感動が待っているはずです。