青森県は本州最北部に位置し、日本海、太平洋、津軽海峡の三方を海に囲まれた地理的な特性を持っています。この恵まれた環境により、多様な海岸景観が形成され、訪れる人々に壮大な自然美を提供しています。
千畳敷(せんじょうじき)
西津軽郡深浦町に位置する千畳敷は、1792年の寛政地震により形成された地質学的にも貴重な岩床海岸です。 約5,000平方メートル広大な平坦岩盤が海岸線に広がっており、姿が千枚の畳を敷き詰めるようにこれから見えてきました。 国の天然記念物および名勝に指定されており、学術的価値も高い観光資源です。
特に日本海に沈む夕日との組み合わせは絶景で、夏から秋季にかけての夕暮れ時に訪れることで、赤く染まる水平線と岩肌のコントラストを鑑賞できます。周辺には遊歩道が整備されており、海岸線に沿って散策することで様々な角度から景観を楽しむことが可能です。

アクセス方法としては、JR五能線「千畳敷駅」から徒歩約10分、または青森市内からは車で約2時間の距離にあります。周辺には日本の海の新鮮な海産物を提供する飲食店や宿泊施設も点在しており、滞在型観光にも適しています。
仏ヶ浦(ほとけがうら)
下北半島西岸部、むつ市にある仏ヶ浦は、国の名勝および天然記念物に指定された青森県を代表する景勝地です。 高さ約200メートルの石灰岩の断崖が約2キロメートルの位置に連なる雄大な景観が特徴で、海水の浸食によって形成された奇岩群が仏像や仏教建築物に似ていることからその名が付けられました。
仏ヶ浦への主なアクセス手段は遊覧船で、仏ヶ浦港または脇野沢港から出航しています。 遊覧船は通常4月下旬から10月末までの期間運行しており、約50分の船旅で断崖絶壁を間近に観察できます。 船上からはエメラルドグリーンの透明度の高い海水と白亜の岩肌の対比が格別の美しさをプレゼンしています。

また、陸路からのアクセスも可能で、仏ヶ浦レストハウスから遊歩道親子展望台まで徒歩約25分で到着できます。 展望台からは俯瞰的に仏ヶ浦の壮観な景色を堪能することができます。
種差海岸(たねさしかいがん)
八戸市南部に位置する種差海岸は、約12キロメートルにわたって自然に続く変化に富んだ海岸線で、国の名勝・記念品に指定されています。
天然芝生地帯は一年を通して青くなり約していますが、特に5月から7月にかけては、ハマギク、ナス、ニッコウキスゲなど650種の海浜植物が咲く誇り、青い海と緑の芝生、色とりどりの花々が織りなす風景は絶景です。「みちのく潮風トレイル」のコースにも指定されており、海岸沿いのトレッキングを楽しむハイカーにも人気のスポットとなっています。

アクセス方法は、JR八戸線「約鮫駅」からバスで約15分、または八戸市中心部から車で30分です。 海岸沿いには「種差海岸インフォメーションセンター」があり、自然解説や観光情報の提供を行っています。 また、周辺には天然芝生を相談したキャンプ場や、海の幸を提供する食事処も点在しています。
竜飛崎(たっぴざき)
津軽半島最北端に位置する竜飛崎は、本州と北海道を結ぶ津軽海峡に面した断崖絶壁の岬です。 高さ約200メートルの崖上からは、津軽海峡をはじめとする360度のパノラマビューが広がり、晴天時には北海道の山々を望むことも可能です。
特に知られているのは、石川さゆりの名曲「津軽海峡冬景色」の舞台となった風景で、冬季には海峡を渡って強風と荒波、雪景色が織りなす厳しくも美しい自然を体験できます。

竜飛崎には「津軽海峡冬景色歌謡」や「青トンネル記念館」が併設されており、観光とともに青機能トンネル建設の歴史や津軽海峡の文化についても学ぶことができます。アクセスは、JR津軽線「三厩駅」からバスで約15分、または青森市内から車で約2時間30分です。
大間崎(おおまざき)
下北半島の最北端に位置する大間崎は、本州最北端の地として知られる象徴的な観光スポットです。 晴れた日には、津軽海峡を隔てて北海道の函館方面を望むことができ、その立地から「本州最北端の地碑」は多くの旅行者の記念撮影スポットとして親しまれています。
また、大間町は「大間マグロ」の産地として全国的に名高く、一本釣りによって漁獲されるクロマグロは、東京の高級寿司店にも卸される最高級品です。

アクセス方法は、下北交通バスの終点「大間バスターミナル」から徒歩約20分、または青森市内から車で3時間30分です。 大間崎周辺には、新鮮なマグロを使った海鮮丼や寿司を提供する食事処や、地元特産品を扱う土産物店が点在しています。
階上岳・種差海岸ジオパーク
八戸市から階上町にかけて広がる階上岳・種差海岸ジオパークは、地球の形成史を肌で感じられる貴重な地質遺産地帯です。約5億年前の古生代から白亜紀、そして新生代に至るまでの多様な岩石と地層が連続的に観察でき、地球科学的価値が非常に高いエリアとして整備・保全が行われています。
ジオパーク内では、特に白亜紀後期の地層が露出している箇所が多く、地元小さな中学校でもフィールド学習が行われるほど教育的価値も高い場所です。 地層内には当時の海洋生物の化石も含まれており、散策しながら大地の歴史を学べる解説板が設置されています。

アクセスは、JR八戸線「鮫駅」または「陸奥階上駅」からバスまたは車で移動でき、八戸市中心部からは車で約40分の距離です。エリア内には「階上岳ビジターセンター」があり、ジオツアーやネイチャーガイドの申し込み、展示見学なども可能です。初心者から地質マニアまで楽しめ、知られた探訪の場として人気があるんです。
浅虫温泉海岸(あさむしおんせんかいがん)
青森市東部に位置する浅虫温泉海岸は、1200年以上の歴史を誇る浅虫温泉に隣接した、風光明媚な海岸地帯です。陸奥湾に面した穏やかな海が広がり、温泉と海両方を楽しめる希少な観光地として人気があります。
特に夕暮れの時の光景は圧巻で、陸奥湾に沈む夕日と、湾内に広がる小舟のシルエットが織りなす風景は、プロ・アマ問わずカメラ愛好家の素晴らしい撮影スポットとして知られています。 海岸沿いには遊歩道が整備されており、温泉街から気軽に海辺を散策することができます。

アクセスは、JR東北本線「浅虫温泉駅」から徒歩約10分、または青森市中心部から車で30分。 海岸には複数の温泉旅館が並び、海を望む露天風呂から陸奥湾を眺める贅沢なひとときを過ごせます。夏季には海水浴場も開放されており、海と温泉を1日で堪能できる理想的なロケーションとなっております。
訪問時の実用情報
青森県の海岸を訪れる際は、季節によって景観と体験できる内容が大きく異なります。一般的には5月から10月が観光シーズンとされますが、仏ヶ浦や種差海岸では春先の新緑、竜飛崎では荒波など、目的に応じて訪問時期を選ぶことが重要です。
また、公共交通機関の利用が制限される海岸地域もあるため、事前にバス・列車の時刻表を確認することを強く推奨します。
青森の海沿いには、それぞれの地域に根差した郷土料理や新鮮な魚介類を安心店がたくさんあります。雄大な景色を堪能するだけでなく、地元の味と人の温かみに触れる旅を計画してみてはいかがでしょうか。
