本州の最北端、青森県。三方を海に囲まれたこの地には、都会の喧騒からは想像もつかない、荒々しくも美しい絶景海岸が広がっています。
「次の休みは、どこか特別な場所へ行きたい」
「心から感動できる景色に出会いたい」
もしあなたがそう思っているなら、青森の海岸を巡る旅はいかがでしょうか?
この記事では、数ある青森の海岸の中から「ここだけは絶対に行ってほしい!」と心から思える7つの絶景スポットを厳選。
- 各スポットの魅力と最高の楽しみ方
- 旅行計画にすぐ役立つモデルコース
- 周辺の絶品グルメや温泉情報
など、あなたの旅を最高のものにする情報を詰め込みました。この記事を読めば、きっと今すぐ青森へ旅立ちたくなるはずです。
はじめに:青森絶景海岸7選 早わかりマップ
まずは、今回ご紹介する7つの海岸の位置関係を地図で確認してみましょう。青森はとても広いので、エリアごとの位置関係を把握しておくと、旅行計画がぐっと立てやすくなりますよ。
- 津軽エリア(西側): 千畳敷海岸、竜飛崎
- 下北エリア(東側): 仏ヶ浦、大間崎
- 三八上北エリア(南東側): 種差海岸、三陸ジオパーク(八戸・階上エリア)
- 青森市周辺: 浅虫温泉海岸

1. 千畳敷海岸(せんじょうじきかいがん)- 夕日が創り出す黄金の舞台
まるで巨大な岩の畳がどこまでも続いているかのような「千畳敷海岸」。1793年の地震によって海底が隆起してできた、自然の造形美です。
感動ポイント
なんといっても、日本海に沈む夕日がすべてを黄金色に染め上げる瞬間は圧巻の一言。岩棚にできた潮だまりが夕日を反射し、まるで鏡のように輝く光景は、言葉を失うほどの美しさです。


楽しみ方のヒント
日没の1時間ほど前に到着し、ゆっくりと空の色が変わっていく様子を楽しむのがおすすめ。夏から秋にかけてが特に美しいシーズンです。近くにはJR五能線の駅もあり、「リゾートしらかみ」の車窓から眺める景色もまた格別です。
旅のTIPS: 駐車場・トイレ完備。夕日目当ての観光客で少し混み合うことも。
住所: 青森県西津軽郡深浦町北金ケ沢
アクセス: JR五能線「千畳敷駅」より徒歩約5分 / 青森市から車で約2時間
2. 仏ヶ浦(ほとけがうら)- 神々が宿る白緑の秘境
下北半島の西海岸に突如として現れる、白緑色の奇岩群。その姿が仏様のように見えることから名付けられた「仏ヶ浦」は、まるで異世界に迷い込んだかのような神秘的な空気に包まれています。
感動ポイント
エメラルドグリーンに透き通った海と、天に向かってそびえ立つ真っ白な岩々のコントラスト。この世のものとは思えないほどの絶景です。海上からでしか見られない景色も多いので、遊覧船に乗るのが絶対におすすめです。
楽しみ方のヒント
遊覧船は4月下旬から10月末まで運行。船長のユニークな解説を聞きながら奇岩を巡る時間は、忘れられない思い出になるはず。陸路からも展望台へ行けますが、ぜひ船上からその迫力を体感してください。
旅のTIPS: 陸路の場合、駐車場から海岸まで急な坂道を20分ほど歩きます。歩きやすい靴が必須です。
住所: 青森県下北郡佐井村長後
アクセス: 佐井港または脇野沢港から観光遊覧船で約30分〜50分
3. 種差海岸(たねさしかいがん)- 海と芝生と花々が織りなす癒しの風景
「こんな海岸、見たことない!」訪れた誰もがそう口にするのが、八戸市にある「種差海岸」。波打ち際まで広がる天然の芝生が特徴的な、変化に富んだ美しい海岸線です。
感動ポイント
青い海、緑の芝生、そして季節ごとに咲き誇る約650種類もの海浜植物。特に初夏は、ニッコウキスゲなどが咲き乱れ、まるで天国のような風景が広がります。ただのんびりと芝生に座って海を眺めるだけで、心から癒されます。
楽しみ方のヒント
海岸線に沿って続く遊歩道「みちのく潮風トレイル」をのんびり歩くのが最高。疲れたら「種差海岸インフォメーションセンター」で休憩したり、地元の食材を使ったカフェで一息つくのも良いでしょう。
旅のTIPS: 駐車場・トイレ完備。無料のキャンプスペースもあります。
住所: 青森県八戸市鮫町
アクセス: JR八戸線「種差海岸駅」より徒歩約3分 / 八戸市中心部から車で約30分
4. 竜飛崎(たっぴざき)- 津軽海峡の風を感じる本州の果て
津軽半島の最北端、石川さゆりさんの名曲『津軽海峡冬景色』でも知られる「竜飛崎」。吹き付ける強風と、荒々しい波が打ち付ける断崖絶壁は、まさに”本州の果て”を実感させてくれます。
感動ポイント
晴れた日には、津軽海峡の向こうに北海道の影をはっきりと望むことができます。特に、夕日が海峡を照らす光景はロマンチック。冬の厳しい吹雪も、ここでしか体験できない自然のドラマです。
楽しみ方のヒント
有名な「津軽海峡冬景色歌謡碑」のボタンを押して、大音量で名曲を聴きながら景色を眺めるのはお約束。また、日本で唯一の「階段国道」や、青函トンネルの歴史を学べる「青函トンネル記念館」も必見です。
旅のTIPS: 風が非常に強い日が多いので、帽子などが飛ばされないように注意。上着が1枚あると安心です。
住所: 青森県東津軽郡外ヶ浜町字三厩龍浜
【重要】アクセス情報: JR津軽線は、2022年8月の大雨の影響で蟹田駅〜三厩駅間が不通となっており、バスによる代替輸送が行われています(2025年7月現在)。最新の運行状況はJR東日本のウェブサイト等で必ずご確認ください。
- JR津軽線「蟹田駅」で下車後、代替バスで「三厩駅」まで約60分。そこから外ヶ浜町循環バスに乗り換え約40分
- 青森市から車で約1時間40分
5. 大間崎(おおまざき)- 最北端の地で味わう絶品マグロ
「来たぞ、本州最北端!」思わず叫びたくなる場所、それが下北半島の先端「大間崎」です。天気が良ければ、津軽海峡を挟んで約17km先にある北海道の函館市街まで見渡せます。
感動ポイント
「本州最北端の地」の碑の前での記念撮影はマスト!そして、ここを訪れたなら絶対に外せないのが、言わずと知れた「大間のマグロ」です。
楽しみ方のヒント
崎の周辺には、水揚げされたばかりの新鮮なマグロを味わえる食堂がずらり。赤身、中トロ、大トロが乗った「まぐろ丼」は、ここでしか味わえない贅沢な逸品です。お腹を空かせて訪れましょう!

旅のTIPS: 8月〜12月がマグロのシーズン。年末年始にはマグロの解体ショーなどのイベントも。
住所: 青森県下北郡大間町大字大間
アクセス: JR下北駅から下北交通バスで約1時間40分 / むつ市から車で約1時間
6. 三陸ジオパーク(八戸・階上エリア)- 地球の歴史を物語る海岸線
種差海岸を含む青森県八戸市から階上町、そして岩手県、宮城県にまたがる広大なエリアは、「三陸ジオパーク」としてユネスコ世界ジオパークに認定されています。このエリアでは、日本列島の土台となった約5億年前の地層から、比較的新しい火山活動の痕跡、さらには東日本大震災の津波の記録まで、多様な時代の大地の営みを見ることができます。
感動ポイント
美しい景色だけでなく、足元の岩や地層に注目してみてください。専門家でなくても、縞模様の地層や不思議な形の岩々を見ているだけで、地球の壮大な歴史に思いを馳せることができます。
楽しみ方のヒント
エリア内には地質の解説板が設置されており、散策しながら楽しく学べます。ガイド付きのジオツアーに参加すると、さらに理解が深まり楽しさも倍増します。
旅のTIPS: 動きやすい服装と靴がおすすめ。ビジターセンターで情報収集してから巡ると効率的です。
住所: 青森県八戸市〜三戸郡階上町
アクセス: JR八戸線「鮫駅」や「陸奥階上駅」が起点。エリアが広いため車での移動が便利。
7. 浅虫温泉海岸 – 温泉と夕日が奏でる癒しのハーモニー
青森の奥座敷として知られる「浅虫温泉」。その温泉街のすぐそばに、穏やかな陸奥湾に面した海岸が広がります。温泉と海、両方を同時に楽しめる贅沢なロケーションです。
感動ポイント
陸奥湾に沈む夕日は、言葉にできないほどの美しさ。海岸沿いの旅館の露天風呂に浸かりながら、この夕景を眺める時間は、まさに至福のひとときです。
楽しみ方のヒント
温泉街を散策し、名物の「久慈良餅(くじらもち)」を味わったり、道の駅「ゆ〜さ浅虫」の展望浴場からの眺めを楽しむのもおすすめ。夏には海水浴場も開設され、家族連れにも人気です。
旅のTIPS: 夕日を眺められる海側の部屋がある旅館がおすすめ。事前に確認・予約しましょう。
住所: 青森県青森市浅虫
アクセス: 青い森鉄道「浅虫温泉駅」より徒歩約5分 / 青森市中心部から車で約30分
【モデルコース案】青森の絶景海岸を巡る旅
青森県は本州でも特に広大な県で、津軽半島と下北半島は車でも片道4~5時間の移動が必要です。そのため、限られた日程ですべてのスポットを巡るのは現実的ではありません。ここでは、エリア別に分けた現実的なモデルコースをご提案します。
【コースA】津軽・青森市エリア 2泊3日
〜日本海の夕日と青森の奥座敷を満喫〜
1日目: 青森空港/新青森駅 → ⑦浅虫温泉海岸で夕日鑑賞 → 浅虫温泉に宿泊
2日目: 浅虫温泉 → (車で約2時間)→ ①千畳敷海岸で日本海の絶景と夕日を満喫 → 深浦町または弘前市に宿泊
3日目: 宿泊地 → ④竜飛崎で本州最北端の津軽半島を体感 → 青森市内観光 → 新青森駅/青森空港から帰路
【コースB】下北半島エリア 2泊3日
〜本州最北端と神秘の仏ヶ浦を巡る〜
1日目: 青森空港/新青森駅 → (車で約3時間)→ むつ市で昼食 → ⑤大間崎で本州最北端を実感、マグロ丼を堪能 → 大間町または下風呂温泉に宿泊
2日目: 宿泊地 → 佐井港または脇野沢港から遊覧船で②仏ヶ浦の神秘的な絶景を満喫 → 薬研温泉に宿泊
3日目: 薬研温泉 → (車で約2時間)→ 八戸市内で昼食・買い物 → 三沢空港/八戸駅から帰路
【コースC】三八上北エリア 1泊2日
〜癒しの種差海岸とジオパークを楽しむ〜
1日目: 八戸駅/三沢空港 → ③種差海岸で天然芝生の海岸を散策 → ⑥三陸ジオパーク(八戸・階上エリア)で地球の歴史を学ぶ → 八戸市内に宿泊
2日目: 八戸市 → (車で約1時間30分)→ ⑦浅虫温泉海岸で最後の夕日を満喫 → 青い森鉄道で青森市へ → 新青森駅/青森空港から帰路
【コースD】欲張り周遊コース 4泊5日
〜7つの絶景海岸をすべて制覇〜
1日目: 青森空港/新青森駅 → ⑦浅虫温泉海岸 → 浅虫温泉に宿泊
2日目: 浅虫温泉 → ①千畳敷海岸で夕日鑑賞 → 深浦町に宿泊
3日目: 深浦町 → ④竜飛崎観光 → (車で約4時間30分の大移動)→ むつ市周辺に宿泊
4日目: むつ市 → ⑤大間崎でマグロ丼 → ②仏ヶ浦遊覧船 → 薬研温泉または下風呂温泉に宿泊
5日目: 宿泊地 → (車で約2時間)→ ③種差海岸 → ⑥三陸ジオパーク(八戸・階上エリア) → 八戸駅/三沢空港から帰路
※注意事項: 青森県内の移動は想像以上に時間がかかります。特に冬季は道路状況が悪化することもあるため、余裕を持った計画を立てることをお勧めします。
おわりに:最高の思い出を探しに、青森の海へ
青森の海岸が持つ、荒々しくも優しい、そしてどこか懐かしい風景。それは、きっとあなたの心に深く刻まれるはずです。
この記事が、あなたの青森旅行のきっかけになれば、これほど嬉しいことはありません。
さあ、地図を片手に、あなただけの絶景を探す旅へ出かけましょう!