日本一のりんご生産量を誇る青森県。そのみずみずしく風味豊かなりんごは、食べるだけでなく、お菓子作りの材料としても最高の素材です。今回は、そんな青森りんごを使って、ご家庭で簡単に作れるスイーツレシピをご紹介します。子どもと一緒に楽しめる難易度別のレシピから、りんごの皮むきや切り方のコツまで、初心者でも失敗しない秘訣をお伝えします。週末のおやつ作りや特別な日のデザート作りに、ぜひチャレンジしてみてください!
※この記事の情報は2025年4月現在のものです。りんごの品種やレシピの情報は変動する可能性があります。

りんごの基本知識とお菓子作りのコツ
- 青森りんごの品種と特徴(お菓子作り向け) 青森りんごには様々な品種がありますが、お菓子作りに向いている主な品種と特徴をご紹介します。
- ふじ: 甘みが強く、果肉がしっかりしているため加熱調理(焼き菓子、煮込みなど)に向いています。日本のりんごの代表品種。
- 王林: 特有の芳香と爽やかな甘みが特徴。生食はもちろん、加熱しても風味が残りやすいです。
- 紅玉: 酸味が強く、加熱すると甘みと香りが引き立ちます。アップルパイやタルト、ジャムなど、酸味を活かしたいお菓子に最適です。
- つがる: 甘みと酸味のバランスが良く、果汁が多い早生品種。加熱するとジューシーさを保ちながら柔らかくなりますが、煮崩れしやすい面もあるため、形を残したい場合は加熱しすぎに注意が必要です。コンポートやソースに向いています。
- りんごの保存方法 お菓子作りに使うりんごは鮮度が大切!正しく保存しましょう。
- 購入したらすぐに一つずつキッチンペーパーや新聞紙で包み、ポリ袋に入れて冷蔵庫の野菜室で保存します。
- りんごは自身もエチレンガスを発生させ、他の果物や野菜の熟成を早めることがあるため、できるだけ単独で保存しましょう。また、他の食品からの影響も受けやすいため、ポリ袋に入れるのがおすすめです。
- カットしたりんごは、変色を防ぐためにレモン汁や塩水につけ、ラップで包んで冷蔵保存し、早めに使い切りましょう。
- 親子で楽しむりんごの皮むきと切り方のコツ
- 基本の皮むき方(大人向け)
- りんごを水で洗い、水気を拭きます。
- ヘタ(軸)とお尻の部分を包丁で薄く切り落とすと安定します。
- りんごを手に持ち、ヘタ側からお尻へ向かって包丁またはピーラーで皮を薄くむいていきます。
- りんごを回しながら、螺旋状にむくと効率的です。
- 子ども向け簡単皮むき方
- りんごを洗い、水気を拭きます。
- 大人がヘタとお尻を薄く切り落として安定させます。
- ピーラーを使って、上から下に縦方向に皮をむいていきます。
- りんごを少しずつ回しながら、全体の皮をむきます。
- 注意: 子どもがピーラーを使う際は、必ず大人がそばで見守り、使い方を教えてあげてください。小さなお子さんには、皮むき後の芯取りやカット作業を手伝ってもらうのも良いでしょう。
- りんごの切り方(いろいろなカット方法)
- くし形切り(基本): 皮をむき、縦半分に切る → それぞれの芯をV字に切り取る → 好みの厚さに縦に切る。
- いちょう切り(薄切り): くし形切りにしたものを、横にして端から薄く切る。パイやタルトのトッピングに。
- さいの目切り(角切り): くし形切りにしたものを、縦横に切ってサイコロ状にする。マフィンやケーキの生地への混ぜ込みに。
- (応用編)りんごの花切り: りんごを横にして輪切りにする → 星型の型抜きなどで真ん中の芯を抜く → 薄切りにすると断面が花のように見える。飾り付けに使うと華やかになります(少し難しい作業です)。
- 基本の皮むき方(大人向け)

親子で作れる!難易度別りんごスイーツレシピ
※アレルギー対応について: 各レシピの材料(小麦粉、卵、乳製品など)は、米粉、豆乳、植物性オイルなどに代用できる場合がありますが、仕上がりが変わることがあります。アレルギーをお持ちの方は原材料をよくご確認の上、ご家庭で調整してください。
【初級編】電子レンジで作る簡単りんごコンポート(所要時間:約10分)
- 材料(作りやすい分量)
- りんご:1〜2個(ふじ、王林、つがるなど)
- 砂糖:大さじ2〜4(りんごの甘さやお好みで調整)
- レモン汁:大さじ1
- 水:大さじ1(省略可)
- シナモンパウダー:少々(お好みで)
- 作り方
- りんごは皮をむき(皮付きでもOK)、芯を取り、8等分程度のくし形または一口大に切る。
- 耐熱ボウルにりんご、砂糖、レモン汁、水を入れて軽く混ぜる。
- ふんわりとラップをし、電子レンジ(600W)で3〜4分加熱する。
- 取り出して全体を混ぜ、再度ラップをして1〜2分、りんごが好みの柔らかさになるまで加熱する。
- 粗熱が取れたら、お好みでシナモンを振りかける。
- 子どもと一緒に楽しめるポイント: りんごを洗う、砂糖を量る、レモン汁を絞る、混ぜる作業などを手伝ってもらいましょう。ヨーグルトやアイスのトッピングにも。
【中級編】フライパンで作る簡単アップルクリスプ(所要時間:約25分)
- 材料(2〜4人分)
- りんご:1〜2個(紅玉、ふじなど)
- 砂糖:大さじ2(りんご用、お好みで調整)
- シナモンパウダー:小さじ1/2(お好みで)
- レモン汁:大さじ1
- バター:10g(りんご用)+20g(クランブル用)
- [A] 薄力粉:40g
- [A] オートミール または グラノーラ:40g
- [A] 砂糖(きび砂糖やブラウンシュガー推奨):大さじ2〜3(お好みで調整)
- 作り方
- りんごは皮をむき(皮付きでもOK)、芯を取り、1.5cm角に切る。
- フライパンにバター10gを溶かし、りんご、砂糖、シナモン、レモン汁を入れて中火で5〜7分ほど炒める。
- りんごが少ししんなりしたら火を止め、耐熱皿に移す。
- 空いたフライパン(またはボウル)で、[A]とバター20gを入れ、指先ですり合わせるようにしてポロポロのそぼろ状(クランブル)にする。
- ③のりんごの上に④のクランブルを全体に散らす。
- オーブントースターでクランブルに焼き色がつくまで5〜8分ほど焼く。
- 子どもと一緒に楽しめるポイント: クランブル作りは粘土遊びのようで楽しい作業です。盛り付け時にアイスやホイップクリームを添えるのも喜びます。

【中級編】りんごのカップケーキ(所要時間:約40分)
- 材料(マフィン型6個分)
- りんご:1/2〜1個(ふじ、王林など)
- バター(無塩):80g
- 砂糖:80g(お好みで調整)
- 卵:1個
- 牛乳:大さじ2
- [B] 薄力粉:100g
- [B] ベーキングパウダー:小さじ1
- [B] シナモンパウダー:小さじ1/2(お好みで)
- 作り方
- バターと卵は室温に戻す。オーブンは180℃に予熱する。[B]は合わせてふるっておく。型にグラシン紙を敷く。
- りんごは皮をむき(皮付きでもOK)、芯を取り、1cm角に切る。
- ボウルにバターを入れ、泡だて器でクリーム状になるまで混ぜる。砂糖を加えて白っぽくなるまですり混ぜる。
- 溶き卵を2〜3回に分けて加え、その都度よく混ぜる。牛乳も加えて混ぜる。
- ふるった[B]を加え、ゴムベラでさっくりと切るように混ぜる。粉気が少し残る程度でりんごを加え、混ぜ合わせる。
- 型に生地を均等に入れ、180℃のオーブンで20〜25分焼く。竹串を刺して何もついてこなければ焼き上がり。
- 子どもと一緒に楽しめるポイント: 生地を型に入れる、焼き上がりにアイシングや飾り付けをする作業がおすすめです。プレゼントにも。
【上級編】簡単アップルパイ(所要時間:約60分)
- 材料(18cmパイ皿1台分)
- 冷凍パイシート:2枚(18cm×18cm程度のもの)
- りんご:2〜3個(紅玉、ふじなど)
- 砂糖:60〜80g(りんごの甘さやお好みで調整)
- シナモンパウダー:小さじ1(お好みで)
- レモン汁:大さじ1
- バター:15g
- 卵黄:1個分(照り出し用、水少々で溶く)
- (お好みで)レーズン、ラム酒、コーンスターチ(または薄力粉)少々
- 作り方
- 冷凍パイシートは使う10〜15分前に室温に出しておく。オーブンは200℃に予熱する。
- りんごは皮をむき、芯を取り、5mm〜1cm厚さのいちょう切りにする。
- フライパン(または鍋)にバターを溶かし、りんご、砂糖、シナモン、レモン汁(+お好みでレーズン、ラム酒)を入れて中火で煮る。
- りんごがしんなりし、水分が少なくなったら火を止める。(汁気が多い場合は、水溶きコーンスターチ等でとろみをつけても良い)粗熱を取る。
- パイ皿にパイシート1枚を敷き、底にフォークで数カ所穴を開ける。
- ④のりんごフィリングを均一に詰める。
- もう1枚のパイシートを上にかぶせるか、帯状に切って格子状に編む。縁を下のシートとしっかり押さえてくっつける。上面に数カ所切り込みを入れる(蒸気抜き)。
- 溶いた卵黄を表面にハケで塗る。
- 200℃のオーブンで15分、その後180℃に下げて20〜25分、全体に焼き色がつくまで焼く。
- 失敗しないポイント: りんごフィリングの水分をしっかり飛ばす。パイシートは冷たい状態で手早く作業する。オーブンはしっかり予熱する。
- 子どもと一緒に楽しめるポイント: 市販パイシートで手軽に。上面の飾り付け(格子模様、型抜き)を一緒に考えるのが楽しい。

子どものりんご嫌いを克服!?アイデアレシピ
りんごが苦手なお子さんでも食べやすいかもしれないアイデアです。
- りんごのフレンチトースト
- 材料(1人分): 食パン 1枚、卵 1/2個、牛乳 50ml、砂糖 小さじ1〜2、すりおろしりんご 大さじ1〜2、バター 適量
- 作り方: ①卵、牛乳、砂糖、すりおろしりんごを混ぜて卵液を作る。 ②食パン(少し乾燥させると良い)を卵液に浸す。 ③バターを溶かしたフライパンで両面を焼く。
- ポイント: すりおろして混ぜ込むとりんごの食感がなくなり、風味だけが加わるので食べやすいかも。
- りんごのお星さまクッキー
- 材料: 基本のクッキー生地に、すりおろして水気を絞ったりんごを少量加える。
- 作り方: クッキー生地を作り、冷蔵庫で休ませた後、星型で抜いて焼く。
- ポイント: 見た目が可愛いと、苦手なものでも食べてみようという気持ちになることも。

まとめ:りんごスイーツづくりを家族の思い出に
青森りんごを使った手作りスイーツは、材料が比較的身近で作りやすく、親子で楽しめる素敵な活動です。市販のお菓子とは違う、手作りならではの温かさと、家族で一緒に作る喜びは、きっと子どもたちの大切な思い出になるでしょう。
まずは簡単なレシピから気軽に始めてみてください。計量、混ぜる、盛り付けるなど、子どもの年齢に合わせて役割分担することで、達成感や食への興味を引き出すことができます。
りんごの皮むきや切り方など、基本的な調理を一緒に学ぶ良い機会にもなります。そして何より、自分たちで作ったスイーツを囲む時間は、かけがえのない家族の絆を深めてくれるはずです。
青森りんごの魅力を活かした手作りスイーツで、素敵な家族の時間をお過ごしください。季節ごとに違う品種のりんご(例:夏秋はつがる、秋は紅玉やジョナゴールド、秋冬はふじや王林など)を使って作れば、一年を通して様々な味わいを楽しむこともできますよ。