はじめに:港町・八戸は「地元民が通う店」こそが旨い
青森県の南東部に位置する港町、八戸市。 全国有数の水揚げ量を誇るこの街には、新鮮な海の幸を求めて多くの観光客が訪れます。しかし、いざ「美味しい海鮮が食べたい!」と思っても、お店選びでこんな風に迷ったことはありませんか?
- 「観光ガイドのお店は、観光客向けで値段が高いのでは?」
- 「地元の人たちが本当に通っている、安くて美味しい店を知りたい」
- 「朝市や市場に行きたいけれど、システムや開催時間がわからない」
八戸の海鮮グルメは、「朝・昼・夜」の時間帯と、「エリア選び」が重要です。特に、新幹線が停まる「八戸駅」と、繁華街のある「本八戸駅」の違いを知らないと、ディナー難民になってしまうことも……。
そこでこの記事では、八戸の食を知り尽くした筆者が、地元民も愛してやまない「本物の海鮮グルメ」を厳選してご紹介します。
行列必至の「平目漬丼」から、日本最大級の朝市での食べ歩き、夜の横丁文化まで。 失敗しないお店選びとアクセスのコツを押さえて、八戸の美食旅を完全攻略しましょう!
八戸ランチ・朝食の鉄板!行列必至の海鮮丼と駅チカグルメ
1. みなと食堂【陸奥湊】 – 八戸名物「平目漬丼」で行列必至のランチ・朝食
所在地: 青森県八戸市大字湊町字久保45-1(JR陸奥湊駅より徒歩約2分) 営業時間・定休日: 詳細は公式サイトをご確認ください 参考価格帯: 約1,500〜2,500円
JR八戸線・陸奥湊駅のすぐそばに佇む「みなと食堂」は、食べログ「百名店 食堂部門2024」にも選出された、八戸を代表する海鮮食堂です。
看板メニューは「平目漬丼」。八戸港で水揚げされた新鮮なヒラメの刺身を特製のタレに漬け込み、ご飯の上にたっぷりと盛り付けた贅沢な一杯です。口の中でとろけるヒラメの甘みと、タレの絶妙な塩加減が織りなすハーモニーは、一度食べたら忘れられない味わい。
陸奥湊駅周辺は「八戸の台所」と呼ばれ、昔ながらの市場の風情が残るエリアです。みなと食堂もその一角にあり、壁には有名人のサインが所狭しと飾られ、地元の常連客と観光客で毎朝賑わっています。
週末や祝日は開店前から行列ができることも珍しくありません。確実に食べたい方は、平日の早朝がおすすめです。
2. 駅ナカ酒場 623710【陸奥湊駅】 – 朝から飲める!せんべい汁や漬け丼を駅直結で
所在地: 青森県八戸市湊町久保44 JR陸奥湊駅1F(駅舎内) 営業時間・定休日: 詳細は公式サイトをご確認ください 公式サイト: https://623710.jp/sakaba/ 参考価格帯: 約1,000〜3,000円
JR陸奥湊駅の駅舎1階に位置する、アクセス抜群の居酒屋です。電車を降りてすぐ、八戸の新鮮な海の幸と郷土料理を楽しむことができます。
2024年3月にリニューアルオープンし、現在は朝9時から営業。平日の遅めの朝食やランチ、昼飲みに最適なスポットです。地元の魚介を使った「漬け丼」や「刺身定食」、八戸名物のせんべい汁などをリーズナブルに味わえます。
陸奥湊は「八戸の台所」と呼ばれる港町エリア。周辺には昔ながらの魚市場の風情が残り、散策と合わせて訪れるのがおすすめです。
夜はここで決まり!八戸の地酒とブランド鯖・高級魚が味わえる居酒屋
1. サバの駅【本八戸】 – ブランド鯖「八戸前沖さば」専門の居酒屋
所在地: 青森県八戸市六日町12 大松ビル1F(JR本八戸駅より徒歩約10分) 営業時間・定休日: 詳細は公式サイトをご確認ください 公式サイト: https://hachinohe-sabanoeki.com/ 参考価格帯: 約3,000〜5,000円
「八戸前沖さば」のブランド化に尽力した沢上弘氏が手掛ける、サバ料理専門店です。店名には「サバに関する情報の発信基地でありたい」という想いが込められています。
北緯40度30分、日本最北端の冷涼な漁場で漁獲される「八戸前沖さば」は、脂のりが格別。この店でしか味わえないオリジナルのサバ料理の数々は、サバの概念を覆すほどの美味しさです。
絶対に外せないのが「銀サバの串焼き」。皮目はパリッと香ばしく、身はジューシーで脂がじゅわっと溢れ出します。また、「銀サバトロ漬け丼」は全国ご当地どんぶり選手権で2016年・2017年と2連覇を達成し、観光庁長官賞も受賞した逸品。特製ダレに漬け込んだサバとご飯の相性は抜群です。
トリップアドバイザーでも八戸市内レストランの上位にランクインしており、地元タクシー運転手もおすすめする名店です。
2. 魚食家 きんき【本八戸】 – 高級魚「吉次」と青森の地酒が楽しめる海鮮居酒屋
所在地: 青森県八戸市鷹匠小路18 金剛ビル3F(JR本八戸駅より徒歩約12分) 営業時間・定休日: 詳細は公式サイトをご確認ください 参考価格帯: 約4,000〜6,000円
八戸・北三陸の厳選した魚介を味わえる、地元で評判の海鮮居酒屋です。老舗割烹「金剛」の姉妹店として、確かな技術と目利きで選び抜いた食材を提供しています。
店名にもなっている「吉次(きんき)」をはじめ、八戸前沖さば、新鮮なイカ、ウニ、アワビなど、この地域ならではの海の幸を堪能できます。
職人の技が光る刺身盛り合わせは、鮮度とボリュームが自慢。焼き物、揚げ物など調理法も多彩で、素材の旨みを最大限に引き出した料理の数々は、地元の常連客からも高い評価を得ています。
青森の地酒も充実しており、「陸奥八仙」「田酒」「豊盃」「亀吉」など、料理との相性を楽しみながら杯を傾けることができます。接待や会食にも利用できる個室・半個室も完備しています。
3. 八戸屋台村 みろく横丁【中心街】 – 26軒が連なる横丁でハシゴ酒と郷土料理
所在地: 青森県八戸市三日町・六日町(JR本八戸駅より徒歩約15分) 営業時間・定休日: 各店舗により異なる(主に夕方〜深夜) 公式サイト: https://36yokocho.com/ 参考価格帯: 約1,000〜3,000円(1軒あたり)
2002年にオープンした「みろく横丁」は、全長約80mの路地に26軒の屋台が軒を連ねる、八戸の夜を象徴するスポットです。各店舗はカウンター8席ほどの小さな空間で、地元の常連客と観光客が肩を並べて杯を交わします。
新鮮な刺身、おでん、串焼き、八戸ラーメン、郷土料理など、店ごとに個性豊かなメニューが揃います。一軒で腰を据えるもよし、はしご酒を楽しむもよし。初対面同士でも自然と会話が弾む、八戸ならではの温かい雰囲気が魅力です。
また、この地域の珍しい食材「どんこ(エゾイソアイナメ)」を提供する店もあります。どんこは主に肝和えや汁物で食されることが多い魚で、濃厚な旨みが特徴です。
【重要】アクセスに関する注意: みろく横丁があるのは八戸市の中心繁華街です。新幹線が停車する「八戸駅」とは異なりますのでご注意ください。最寄りはJR八戸線「本八戸駅」で、駅から徒歩約15分です。八戸駅からはバスまたはタクシーで約20分かかります。
観光の定番!八戸の「朝市」と「市場」で海鮮食べ歩き体験
舘鼻岸壁朝市 – 毎週日曜開催!日本最大級の朝市で食べ歩きグルメ
所在地: 青森県八戸市新湊 舘鼻岸壁(JR陸奥湊駅より徒歩約10分) 開催日: 毎週日曜日(3月中旬〜12月頃)※1〜2月頃は冬季休業 開催時間: 日の出頃〜9:00頃 八戸駅から: 車で約20〜25分/タクシー利用推奨 本八戸駅から: 車で約10分
全長約800m、約300もの店舗が並ぶ日本最大級の朝市です。毎週2〜3万人もの来場者で賑わい、八戸の活気を肌で感じられるスポットとして知られています。
新鮮な魚介類はもちろん、野菜、果物、花卉、惣菜、パン、ラーメン、コーヒーまで、ありとあらゆるものが揃います。その場で食べ歩きを楽しむのが醍醐味。湯気の立つ汁物や焼きたての海鮮串など、朝市ならではのグルメを堪能できます。
早朝から多くの人で賑わうため、ゆっくり見て回りたい方は日の出直後の到着がおすすめです。冬季(概ね1〜2月)は休業となりますので、訪問前に開催状況をご確認ください。
【アクセス・駐車場について】 会場には約500台分の無料駐車場がありますが、来場者数に対して圧倒的に不足しており、周辺道路は大渋滞が発生します。八戸駅や中心街から運行される「日曜朝市循環バス(いさば号)」やタクシーの利用を強くおすすめします。
八食センター – 買った魚をその場で焼ける「七厘村」が人気
所在地: 青森県八戸市河原木字神才22-2 営業時間・定休日: 詳細は公式サイトをご確認ください 公式サイト: https://www.849net.com/ アクセス: JR八戸駅から100円バス「八食100円バス」で約10分
約60店舗が軒を連ねる、八戸を代表する食のテーマパークです。新鮮な魚介類、乾物、珍味、地酒、お土産品まで、八戸の「食」が一堂に集まります。
最大の魅力は「七厘村」。市場で購入した新鮮な魚介や肉を、その場で炭火焼きにして食べられる施設です。自分で選んだ食材を自分で焼いて食べる体験は、八食センターならでは。ホタテ、イカ、サザエ、海老など、好きな食材を好きなだけ楽しめます。
また、「厨スタジアム」では磯料理や郷土料理をゆっくり味わえ、「味横丁」では八戸ラーメンやそば、うどんなどを手軽に楽しめます。天候や季節を問わず一年中楽しめるため、舘鼻岸壁朝市が開催されない日や冬季の訪問にもおすすめです。
八戸へのアクセスと注意点:八戸駅と本八戸駅の違いとは?
電車: 東京駅から東北新幹線「はやぶさ」で八戸駅まで約2時間50分〜3時間 飛行機: 三沢空港から八戸市内まで車で約30〜40分 車: 東北自動車道・八戸ICから市街地まで約15分
【重要】駅の使い分けについて: 新幹線が停車するのは「八戸駅」ですが、繁華街や多くの飲食店があるのは「本八戸駅」周辺です。両駅間はJR八戸線で約10分、タクシーで約15分です。夜の食事や、みろく横丁への訪問を予定している方は、本八戸駅周辺への宿泊が便利です。
まとめ:八戸の海鮮グルメ旅は「朝・昼・夜」すべてを楽しむのが正解
八戸は、新鮮な海の幸を心ゆくまで堪能できる、海鮮好きにはたまらない街です。朝は活気あふれる朝市で食べ歩きを楽しみ、昼は名物の平目漬丼に舌鼓を打ち、夜はみろく横丁で地元の人々と杯を交わす。そんな贅沢な食の旅が、ここ八戸では実現できます。
ぜひ一度、港町・八戸の豊かな食文化を体験してみてください。
※本記事の情報は2024年〜2025年時点のものです。営業時間、定休日、価格等は変更になる場合がありますので、訪問前に各店舗・施設の公式情報をご確認ください。

