「今年の夏は、どこか特別な場所へ行きたい」
「人いきれのビーチではなく、心からリフレッシュできる海が見たい」
もし、あなたがそう願うなら、本州最北端・青森の海が、その答えになるかもしれません。

こんにちは。青森に移住して10年、毎年家族と県内の海を巡っている私が、自信を持っておすすめする「忘れられない夏の過ごし方」をお伝えします。
青森の夏は、驚くほど短いです。だからこそ、その一瞬一瞬が凝縮され、宝石のように輝きます。都会の喧騒とは無縁の静けさ、肌をなでる涼やかな風、そして、思わず息をのむほどの透明な海。
この記事では、単におすすめの場所を並べるだけではありません。
- あなたの「理想の夏」を叶える目的別の選び方
- 旅の計画がぐっと楽になる、地元民推薦のモデルコース
- 知っていると10倍楽しめる、地元民ならではの裏情報
これら全てを詰め込みました。さあ、あなただけの「本州最北の楽園」を見つける旅へ、一緒に出かけましょう。
※はじめにお読みください※
遊泳期間は例年の目安です。天候や海の状況により変更されるため、お出かけ前には必ず各自治体の公式サイト等で最新情報をご確認ください。
なぜ、旅慣れた人ほど「青森の海」を選ぶのか?
多くの人を惹きつけてやまない、青森の海ならではの魅力を3つご紹介します。
「涼」をまとう、快適な夏時間
真夏でも30℃を超える日は少なく、日差しの中にも爽やかな風が吹き抜けます。「暑すぎて何もしたくない…」なんてこととは無縁。日中は思いっきり遊び、夜は涼しい中でぐっすり眠る。心と体を最高のコンディションで満たしてくれます。
吸い込まれそうな「奇跡の透明度」
世界自然遺産・白神山地や、八甲田連峰のブナの森。これらの雄大な自然が育んだ清らかな水が、絶えず海へと注ぎ込んでいます。その恵みが生み出すのは、海底の砂粒まで数えられるほどの圧倒的な透明度。キラキラと光が乱反射する水面を見ているだけで、心が洗われるようです。
旅の満足度を倍増させる「+α」の体験
海水浴場のすぐそばに、旅情あふれる温泉郷が広がっていたり、獲れたての海の幸を驚きの価格で味わえる市場があったり。海水浴だけで終わらないのが青森の旅の醍醐味。大自然のアクティビティと組み合わせれば、忘れられない思い出が何層にも重なっていきます。
【目的別】あなたの夏を最高にする、青森の海水浴場7選
「誰と、どんな夏を過ごしたいか」に合わせて、私が本気で選び抜いた7つのビーチをご紹介します。
《ファミリーに最適!笑顔あふれる安心ビーチ》
小さなお子様の「海デビュー」にもぴったり。波が穏やかで、設備も整った安心の海水浴場です。
1. 合浦(がっぽ)公園海水浴場(青森市)

青森市民にとって最も身近な憩いのビーチ。青森駅から車で10分というアクセスの良さも魅力です。陸奥湾の穏やかな内海に面しているため、波はまるで湖のよう。遠浅の砂浜が続くので、小さな子どもが波打ち際で遊ぶのにも最適です。
公園内には遊具はもちろん、動物舎まであるので、もし子どもが海水浴に飽きてしまっても大丈夫。一日中、家族みんなの笑顔が絶えません。
特徴 | 市内から好アクセス、超遠浅、波が穏やか、公園併設 |
設備 | シャワー、更衣室、トイレ、海の家 |
アクセス | 青森駅から車で約10分 |
遊泳期間 | 7月中旬〜8月中旬(例年) |
+αの楽しみ | 公園内の遊具、動物舎、散策 |
地元民アドバイス: 海水浴の後は、近くの「あすなろ温泉」で汗を流すのが地元の定番コースです!
2. サンセットビーチあさむし(青森市)

その名の通り、息をのむほど美しい夕日が自慢のビーチ。旅情あふれる浅虫温泉に隣接しており、「海水浴」と「温泉」という最高の贅沢を一度に味わえます。
こちらも波は穏やかですが、SUPやシーカヤックといったマリンアクティビティが充実しているのが特徴。家族で挑戦してみるのも良い思い出になりますよ。海で冷えた体と疲れた体を、源泉かけ流しの温泉が優しく癒してくれる…。この多幸感は、一度味わうとやみつきになります。
特徴 | 温泉地直結、絶景の夕日、アクティビティ充実 |
設備 | シャワー、更衣室、トイレ、海の家 |
アクセス | 青い森鉄道「浅虫温泉駅」から徒歩約7分 |
遊泳期間 | 7月中旬〜8月中旬(例年) |
+αの楽しみ | 浅虫温泉での湯めぐり、浅虫水族館、道の駅「ゆ〜さ浅虫」 |
地元民アドバイス: 夕日を眺めながら入れる展望浴場が最高です。日帰り入浴できる旅館も多いので調べてみて。
《絶景と透明度に心奪われる、感動のビーチ》
思わずカメラを構えてしまう、美しい景色と最高の水質。カップルや友人との思い出作りに。
3. 白浜海水浴場(八戸市・種差海岸)

ここは、私が「日本で最も美しい場所の一つ」だと確信しているビーチです。環境省のお墨付き「快水浴場百選」に選ばれた実力は伊達じゃありません。
三陸復興国立公園内にあり、緑の天然芝生がそのまま白い砂浜へと続いているかのような景観は、まるで絵画の世界。そして、条件が合うと「キュッキュッ」と鳴く「鳴き砂」の浜でもあります。きめ細やかな白い砂と、どこまでも青い太平洋のコントラストは、まさに絶景です。
特徴 | 国立公園内の絶景、白い砂浜、鳴き砂、快水浴場百選 |
設備 | シャワー、更衣室、トイレ |
アクセス | JR八戸線「陸奥白浜駅」から徒歩約10分 |
遊泳期間 | 7月中旬〜8月中旬(例年) |
+αの楽しみ | 種差海岸遊歩道のハイキング、カフェでの休憩 |
地元民アドバイス: 鳴き砂は、よく晴れて砂が乾いている日が鳴りやすいです。ぜひ耳を澄ませて歩いてみてください。
4. 出来島(できしま)海水浴場(つがる市)

日本海に面した、7kmも続くロングビーチ。ここに立つと、地球の丸さを実感できます。何より素晴らしいのは、空と海を茜色に染めながら、水平線の彼方へと沈んでいく夕日。その光景は、きっと一生忘れることのできない記憶になるはずです。
人が少なく、プライベート感たっぷりなので、隣を気にせずのんびりしたいカップルや友人にぴったり。ただただ波の音を聞きながら、移りゆく空の色を眺める…そんな贅沢な時間がここには流れています。
特徴 | 壮大な夕日、長い砂浜、風車のある風景、プライベート感 |
設備 | トイレ、シャワー(簡易) |
アクセス | JR五能線「木造駅」から車で約20分 |
遊泳期間 | 7月中旬〜8月中旬(例年) |
+αの楽しみ | 近くの「ベンセ湿原」で高山植物鑑賞、ご当地グルメ「しじみラーメン」 |
地元民アドバイス: 日を遮るものが何もないので、パラソルやタープは必須です。夕日を見るなら、日没時間より1時間早く着くのがおすすめ。

《これぞ本州最北!秘境感あふれる穴場ビーチ》
「こんな場所があったなんて…」思わずそう呟いてしまう、知る人ぞ知る特別な場所へ。
5. 脇野沢海水浴場(むつ市)

下北半島の西側、まさに「秘境」と呼ぶにふさわしい、穴場中の穴場ビーチ。ここの魅力は、言葉を失うほどの「水の透明度」です。波が穏やかな日には、まるで船が宙に浮いているかのように見える「浮き船現象」が見られることも。
人が少なく、聞こえるのは波の音とカモメの声だけ。手つかずの自然の中で、ただ静かに海と向き合いたい…そんな本物志向のあなたにこそ訪れてほしい場所です。運が良ければ、野生のニホンザルに遭遇できるかもしれません。
特徴 | 驚異的な透明度、静かな環境、手つかずの自然 |
設備 | トイレ、シャワー(簡易) |
アクセス | むつ市街地から車で約40分 |
遊泳期間 | 7月下旬〜8月中旬(例年) |
+αの楽しみ | 観光船で巡る「仏ヶ浦」、野生のニホンザル観察 |

地元民アドバイス: ここまで来たら、ぜひ仏ヶ浦の観光船に乗ってください。海上から見る奇岩の絶景は圧巻です。
《アクティブに遊び尽くす!アドレナリン全開ビーチ》
じっとしているだけじゃ物足りない!マリンスポーツも満喫したいアクティブ派はこちら。
6. 鰺ヶ沢(あじがさわ)海水浴場(鰺ヶ沢町)

日本海に面し、世界自然遺産・白神山地を望むロケーションが最高のビーチ。適度な波が立つため、県内有数のサーフィンスポットとしても知られています。
海の家やシャワーなどの設備も充実しており、多くの人で賑わう活気ある雰囲気。海水浴もマリンスポーツも、両方楽しみたい欲張りなあなたにおすすめです。遊んだ後は、近くの漁港で新鮮な海鮮丼に舌鼓を打つのもたまりません。
特徴 | 県内有数の規模、マリンスポーツ可能、白神山地の景色 |
設備 | 有料シャワー、更衣室、トイレ、海の家 |
アクセス | JR五能線「鰺ヶ沢駅」から徒歩約10分 |
遊泳期間 | 7月中旬〜8月中旬(例年) |
+αの楽しみ | 鰺ヶ沢漁港での海鮮グルメ、人気犬「わさお」で有名だった「きくや商店」 |
地元民アドバイス: 近くで毎年夏に行われる「鰺ヶ沢トライアスロン大会」は見るだけでも迫力満点です!
7. マリンパーク海水浴場(中泊町)
津軽半島の先端近くにある、安全性が徹底的に考慮された人工のビーチ。沖合がテトラポッドで囲まれているため、外海の波の影響をほとんど受けません。
「人工」と聞くと味気なく感じるかもしれませんが、周囲の景観は抜群。整備された休憩所やトイレもあり、小さなお子様連れでも安心してアクティブに過ごせる貴重な場所です。天気が良ければ、海の向こうに北海道の松前半島を望むこともできます。
特徴 | 安全性重視の人工ビーチ、設備充実、北海道が見えるかも? |
設備 | 更衣室、シャワー、トイレ、休憩所 |
アクセス | 津軽鉄道「津軽中里駅」から車で約45分 |
遊泳期間 | 7月中旬〜8月下旬(例年) |
+αの楽しみ | 「道の駅こどまり」での休憩、新鮮な海産物の購入 |
地元民アドバイス: アクセスは少し大変ですが、その分混雑とは無縁。ドライブ自体も楽しめるロケーションです。
【旅の計画が超具体的に!】地元民おすすめモデルコース2選
「行ってみたいけど、どう回ればいいの?」そんなあなたのために、1泊2日のモデルコースを考えてみました。レンタカー移動がおすすめです!
A.【津軽半島】アクティブ&絶景夕日満喫コース
1日目
- 午前:新青森駅でレンタカーを借りて出発!
- 昼:鰺ヶ沢町で海鮮丼のランチ → 鰺ヶ沢海水浴場でアクティブに遊ぶ
- 夕方:出来島海水浴場へ移動し、感動的な夕日を鑑賞
- 夜:つがる市または五所川原市内に宿泊
2日目
- 午前:「立佞武多の館」(五所川原市)で青森文化に触れる
- 昼:十三湖で名物のしじみラーメンを味わう
- 午後:龍飛崎で本州最北端の風を感じ、新青森駅へ
B.【下北・太平洋側】秘境と絶景を巡る癒しコース
※ご注意※
このコースは下北半島を広範囲に移動するため、特に2日目は車の運転時間が長くなります(脇野沢から八戸駅まで途中観光しながらで5時間以上)。時間に余裕を持った計画を立てるか、宿泊地を調整することをおすすめします。
1日目
- 午前:八戸駅でレンタカーを借りて出発!
- 昼:種差海岸のカフェでランチ → 白浜海水浴場の絶景と鳴き砂を堪能
- 夕方:むつ市へ移動し、下北の海の幸を味わう
- 夜:むつ市内のホテルまたは薬研温泉に宿泊
2日目
- 午前:「仏ヶ浦」の観光船で神秘の絶景をクルーズ
- 昼:脇野沢海水浴場で奇跡の透明度に癒される
- 午後:大間のマグロ(※)を味わい、尻屋崎(しりやざき)で寒立馬(かんだちめ)を見学しながら八戸駅へ
※大間のマグロの旬は秋から冬ですが、夏でも営業しているお店で味わうことができます。
※尻屋崎の寒立馬は、厳冬期を除き、灯台周辺の草地で草を食む姿を見られることが多いです。
青森の海を120%楽しむためのQ&A
Q. レンタカーは必要?
A. 絶対に必要です。 公共交通機関だけではアクセスが難しい場所が多く、行けても本数が非常に少ないです。新青森駅や八戸駅周辺で借りるのが便利です。
Q. 水温は低い?ラッシュガードはいる?
A. はい、関東の海に比べると低めです(8月でも22〜24℃程度)。長時間入るなら、体を冷えから守るラッシュガードがあると安心。特に、お子様にはおすすめです。

Q. クラゲは出るの?
A. 8月のお盆を過ぎるとアンドンクラゲなどが出始めることがあります。遊泳期間を守り、現地の情報を確認するのが最も安全です。
Q. おすすめの時期はいつ?
A. 青森の夏は短く、海水浴場の遊泳期間も7月中旬から8月中旬に集中します。この時期を狙うのがベストです。特に、ねぶた祭り(8月上旬)を避けると、比較的混雑が緩和されます。
まとめ:本州のてっぺんで、あなただけの夏を見つけよう
青森の海は、ただ泳ぐだけの場所ではありません。
- 家族との絆を深めたいなら →「合浦公園海水浴場」「サンセットビーチあさむし」
- 心に刻まれる絶景に出会いたいなら →「白浜海水浴場」「出来島海水浴場」
- 誰にも邪魔されず自然と一体になりたいなら →「脇野沢海水浴場」
- 全身で夏を感じ尽くしたいなら →「鰺ヶ沢海水浴場」「マリンパーク海水浴場」
この記事が、あなたの「最高の夏休み」のきっかけになれば、これほど嬉しいことはありません。
さあ、次の夏は、本州最北の海へ。
きっと、都会の日常で少しだけ疲れた心を、優しく解きほぐしてくれるはずです。